平成30年特定行政書士試験考査問題の解答解説

特定行政書士

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平成30年特定行政書士考査問題正解肢一覧

 

 

問1 3  問11 1  問21
問2 3  問12 4  問22 4
問3 2  問13 2  問23 2
 問4 4  問14 4  問24 4
 問5 4  問15 3  問25 2
 問6 2  問16 1  問26 3
 問7 4  問17 1  問27 2
 問8 2  問18 2  問28 3
 問9 4  問19 1  問29 3
 問10 3  問20 4  問30 1

 

総評

出題分野の内訳は、行政手続法8問、行政不服審査法8問、行政事件訴訟法7問、民事訴訟法4問、職務倫理3問であった。

出題の形式としては「正しいものはどれか」「誤っているものはどれか」を1つ選ぶ形式が多いので、正確な知識が要求されるものがほとんどである。

本年度については行政手続法8問、行政不服審査法8問、行政事件訴訟法7問が出題されており、30問中合計23問が行政3法から出題されている。

したがって、この行政3法でどれだけ正解できるかが合否をわけることになるであろう。

上記行政3法の出題については、年々細かい条文が聞かれるようになっており、条文の正確な理解と暗記がますます重要になっている。

逆に、判例や事例形式のものについてはほとんど出題されていない。

行政手続法、行政不服審査法については細かいものや難易度の高いものがいくつかある。これは特定行政書士が直接扱う分野であり、実務上重要であるからであろうと思われる。

一方、行政事件訴訟法については行政手続法、行政不服審査法に比べると、やや難易度は低めであると思われる。

民事訴訟法の問題については、例年基本的なものが多く、確実に得点しておきたいところである。ただ、行政書士は弁護士のように民事訴訟法を基礎から学んだという方が少ないため、苦戦する方も多いと聞いている。基本さえわかっていれば過去問と似たような問題が多く、難問はあまり出ないように思われるので、基本をしっかり学習することが重要である。

職務倫理については、暗記するのは無理であるが、状況をイメージして、「比較してどちらが妥当か」を考えれられればあまり難しいものはないので、確実に得点しておきたいところである。

まとめると、行政3法においては、比重が高く、また難易度が上昇ぎみであるが、しっかり学習時間をとり、最悪でも60%程度の正解はしたいところである。

そのうえで、民事訴訟法、職務倫理でミスなく確実に得点すれば、合格点に達すると思われる。

なお、合格点は例年65%前後(30問中20問程度)を目安にしているようである。

上記はあくまで筆者の主観に基づくものであるが、参考になれば幸いである。

なお、解答の正解肢についても筆者の主観に基づくものであり、また行政書士会の正式な回答でないため、正確性を保証するものではなく、今後修正の可能性もあること、ご了承いただきたい。

 

平成30年 特定行政書士試験の過去問・解答と解説 の内容紹介

これは、行政不服審査法に基づく行政不服申立代理権を付与する特定行政書士試験(第4回)の日本で最初に出版した過去問の解答、解説集です。

この過去問には解答のみでなく、解説が付いていますので、解説で行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、職務倫理、民事訴訟法が学べるようになっています。

また、特定行政書士試験の効果的な勉強法についても若干コメントしてあります。

 

サンプルページ

 

【問題3】正解2

 

1 正 申請に対する処分の審査基準は行政上特別の支障があるときを除き、公にしておかなければならない(行政手続法5条3項)。よって特別の支障があるとこは公にしないことも許されるため本肢は正しい。

2 誤 申請に対する審査の進行状況においては申請者の求めがあった場合に申請に必要な情報の提供に努めなければならない。よって本肢は“利害関係者の求め”が記載されているため誤りとなる(行政手続法9条1項)。

3 正 行政庁は、申請をしようとする者又は申請者の求めに応じ、申請書の記載及び添付書類に関する事項その他の申請に必要な情報の提供に努めなければならない(行政手続法9条2項)。

4 正 行政庁は、申請に対する処分であって、申請者以外の者の利害を考慮すべきことが当該法令において許認可等の要件とされているものを行う場合には、必要に応じ、公聴会の開催その他の適当な方法により当該申請者以外の者の意見を聴く機会を設けるよう努めなければならない(行政手続法10条)。

 

 

【解答のコツ】

努力義務か法的義務かは頻出事項なので、確実に覚えておくこと。

申請に対する処分(行政手続法5条~11条)における手続きで努力義務(6つ)押さえておくこと。

  • 標準期間を定めること(行政手続法6条)
  • 審査の進行状況を示すこと(行政手続法9条1項)
  • 申請に対する処分の時期の見通しを示すこと(行政手続法9条1項)
  • 申請に必要な情報の提供(行政手続法9条2項)
  • 公聴会開催(行政手続法10条)
  • 複数の行政庁が関する場合の審査の促進(行政手続法11条)

 

また、正しいものは、記述がすべて正しくないと正しいとは言えないのに対し、誤っているものは文章の一部でも誤っていれば誤っていることになる。

そのため、正誤問題の場合、正しいものよりも誤っているものを探すほうが正解が容易なことが多いので、テクニックとして知っておきたいところである。

 

(受験データ)

○申込者数  519名

○受験者数  467名

○修了者数  319名

○合格率   68.3%

 

 

 

 

 

◇平成30年度第4回特定行政書士試験の過去問・解答と解説の著者情報

特定行政書士 田上創

 

◇著者略歴

田上創

2005年12月 行政書士事務所開業。 行政書士歴は約14年。許認可業務を中心に、各種セミナー講師実績多数。

現在、特定行政書士制度の普及、特定行政書士の人数の増加、及び行政書士の地位向上のため、特定行政書士制度の活用法を研究中。

 

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